インタビュー社員インタビュー
※社員の所属や掲載内容は取材当時のものです。
地域にとって必要とされる
存在であり続けるための努力。2011年入社
技術部スタッフ(施設担当)
- 就業までの経緯
- 2011年3月に大学(都市システム工学科)を卒業。
入社後から技術部に所属し、施設関係の内勤業務に従事しながら、軌道の改良、斜面防災、高架橋の耐震補強、橋梁架替等の工事に携わった。
現在は駅の改良を担当。
現在の業務について大事なこと、留意していること
所属する施設担当では、列車の運行に欠かせない鉄道施設の維持管理や改良工事の計画・設計・施工管理等を行っています。
その中で、現在私は大塩駅の総合改善事業を担当しています。この事業は全てのお客さまに安全・快適に駅をご利用いただけるよう、バリアフリー化やホームの延伸、駅舎の建替え等を行うもので、あわせて駅直結の自由通路や駅前広場の整備、隣接踏切の拡幅など、周辺整備も一体的に行う事業です。
担当業務としては、土木建築工事を進めるとともに、その他の工事の調整や予算管理、自治体との協議など、プロジェクト全体の統括を行っています。
駅をほとんど一から作り替えるような事業であり、駅単体の整備としては当社でも前例のない規模のプロジェクトなので、事故なく円滑に進めるためには、社内外問わず多岐にわたる関係者との綿密な連携が欠かせません。些細な認識のズレが大きな問題に発展することもあるため、日々のコミュニケーションを欠かさないことを特に意識しています。
業務におけるやりがい、おもしろさ
駅はお客さまをお迎えする最初の接点です。山陽電車の顔であるとともに、地域のシンボル的存在でもあります。駅の印象はそのまま山陽電車の印象に直結するため、工事の際には特に神経を使いますが、その分大きなやりがいを感じる部分でもあります。
今回の工事では駅を一新することになるため、これまでの山陽電車のイメージを大きく変えるチャンスでもありました。特にデザイン面においては過去の前例に囚われず、新たな要素を積極的に取り入れるなど、今後のベンチマークとなるような駅を目指しました。
新駅舎の開業を迎えた際には、お客さまや地域の方から直に、あるいはSNS上などでたくさんのお褒めの言葉をいただき、言葉では言い表せないほど嬉しかったことを覚えています。
困難を乗り越えたエピソード
大塩駅の工事では、ホームを拡幅するため計7回にわたる線路移設工事を行う必要がありました。営業時間中は列車が運行しているため、終電から始発までのわずか数時間の間に、延長160mにわたる線路を最大4m移設し、もともと線路があった場所に新たなホームを設置するという非常に困難な工事でした。
作業当日はおよそ200人以上の作業員が、限られたスペースの中で各々の役割に細分された作業を行います。現場の混乱を避けるためにも事前に関係者間の調整やシミュレーションを何度も重ね、いくつもの課題をクリアしながら計画を立案していきました。今思えばこの過程そのものが貴重な経験だったと思います。
当日も想定外の事態が発生するなど、終始現場を走り回ることになりましたが、全ての線路移設工事を終え、無事に始発列車を迎えた時に感じた達成感は忘れることができません。
今後の目標
これまでは主に鉄道施設の整備というハード面から事業に携わってきましたが、将来的にはソフト面も含め、より幅広い視点で貢献していきたいと思っています。
当社は長い歴史の中、沿線地域の発展とともに成長してきました。現在、人口減少や生活様式の変化など、公共交通にとって難しい課題に直面していますが、今後も地域にとって必要とされる存在であり続けるために努力していかなければなりません。
そのためには自社グループだけでなく、他の交通機関や沿線地域、あるいはこれまで全く接点のなかったような多種多様なプレイヤーと連携した総合的な施策が求められています。こうした連携の中核になれるような存在となることが目標です。
入社希望の方へメッセージ
山陽電車は鉄道会社の中ではそこまで大きな会社ではありませんが、実は110年以上の長い歴史を持ち、路線の長さも大手に引けをとりません。また手がけている事業も多岐にわたります。少数精鋭で業務を行っている分、ひとりひとりが果たす役割や存在感が相対的に大きいのが特徴であり、魅力でもあります。
熱量次第でいろんなことが成し遂げられる環境であり、私にとって大きなモチベーションの一つになっています。熱い想いを持って、山陽電車や沿線地域を共に盛り上げていける方の入社を心待ちにしています。